BOX―暗い箱―(2)

ヤツは金も求めない。
名誉(ベルト)も求めない。
しかし、周囲の者たちに巨大な存在感を示す男―――。
高度経済成長期直前の日本。
人々の心から戦争と貧困の記憶が薄れはじめていたころ。
世界タイトルを期待される気鋭のボクサー・吉岡(よしおか)は、同ジムの首藤(しゅどう)とのスパーリングで、無様なKOを喫する。
以来、試合での勝利では癒されない「なにか」に悩まされる吉岡。
首藤よ、なぜお前はそんなにも、男たちの情熱・焦燥・恐怖をかきたてるのか!? 異色ボクシングストーリー!※BOX―暗い箱― MF文庫を分冊しております。
応仁の大乱以後、弱い者は滅び、強い者だけが生き残れるという戦国時代が百年も続いた。
天文五年(一五三六)正月元旦、ここ尾張に織田家の足軽で木下弥右衛門とお仲の間に、日輪の子―― 日吉が誕生した。
生まれつき賢く、勝気で鋭い神経をもつ日吉は、光明寺宗忍和尚の「平和は日本一の大将の出現にある!」の言葉に、姉・おみつの叫びを背に故郷をでた…… 信長の天下平定から家康への架橋となった太閤秀吉の波乱万丈な生涯のスタート!!三河矢矧橋で僧随風(後の天海)に“天下取り”の人相見を受けた日吉…… その地で南朝方の血筋・竹之内波太郎の配下である野武士・蜂須賀小六と血盟し、天下平定のために武芸にはげむ。
元服後、木下藤吉郎と名を改め、六年の間、美濃・駿府・甲斐ほか諸国の情勢を伺い、織田信長こそ奉公先と定める。
自由市場・清洲で前田犬千代につけ入り、いよいよ信長の轡取り・草履取りとなる。
そこで、濃姫に仕える浅野長勝の娘・お寧々と出会い、ますます大器・藤吉郎の大ボラが吹きまくる……尾張のうつけ信長のくつわ取りとなった藤吉郎は、前田犬千代(後の利家)を自在にあやつり、あやしげなニセ恋文で寧々の嫁取りを…… さらに蜂須賀小六ほか勤皇の志厚い野武士や土豪を、義戦の名目で来るべき日に備えさせた。
時に永禄三年(一五六〇)、今川義元は足利幕府に代って幕府をつごうとする野心の上洛であったが、天の時・地の利の信長に、桶狭間で討死。
今や戦国の主役に躍り出た信長の第一の家臣・藤吉郎は、台所奉行・薪炭奉行・山林奉行を賜り、その活躍やいかに……普請奉行の職をたやすくこなした藤吉郎は、信長の信頼をいよいよ厚くし、美濃攻略の糸口として佐久間・柴田が敗退した墨俣に、野武士の蜂須賀小六やその郎党を使い、一夜にして城を築いた。
さらに、鵜沼の虎・大沢治郎左衛門と「意気と意気の戦い」をくりひろげ、稲葉山城の斎藤龍興は風前の灯となる。
「殿(信長)は人間の心の内にかくされた自信をうまくあおりますが、藤吉郎は人間の欲のありたけを利用します……」と、二人の知恵は着々と天下平定に向っていった。
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