THE WINNER(2)

競馬学校に入学した遼は早速、他の生徒との間でひともんちゃく起こす。
遼のことを面白く思わない連中が、手のつけられない暴れ馬で知られていたブラッディーの厩舎に遼を閉じ込めてしまう。
しかし遼は全身傷だらけになりながらも、暴れるブラッディーをなだめてパートナーにし、全国大会への出場を賭けたレースに出場する。
競馬の甲子園と言われる全国競馬学校対抗レースへの出場を決める選考会。
遼はブラッディーの天性の素質を引き出し、好勝負を繰り広げる。
しかし、ゴールの間際、ブラッディーの足に異変が。
左足の管骨が折れていたのだった。
苦しむブラッディーに薬殺という非情な措置が決定される。
それでも痛む足を震わせながら遼を背中に乗せようとするブラッディーを見て遼は手術を懇願する…。
高校入学を機に、東京で一人暮らしをすることになった早瀬真美。
新居隣りに住む都井勇介は元気印の男の子。
ドキュメンタリーを撮らせたら右に出る者はいないと言われた名カメラマンを父に持つ。
父の影響を受けてか、勇介は大のビデオカメラ好き。
入学した高校でもビデオ研究部を作って、いつもビデオカメラ片手に駆け回る。
亡くなる最後の瞬間までカメラを回し続けた父親は何を撮ろうとしたのか? 断崖絶壁のロッククライミング、世界で最も過酷なレースと言われるパリ=ダカ・ラリー。
プロとは何かという命題を胸に、勇介は険しい舞台に挑んでいく。
男と女の関係ってフクザツ。
本当は好きなのに素直になれない。
真剣なのに、ついつい突っ張ってしまう。
そんな多感な思春期の若者たちの揺れ動く恋愛模様を描いた短編集。
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